ポポーのハート5

 

ポポーのハート5

ポポー現る

 

 

 

遥か彼方から、一本の青い矢が放たれた。

 

矢は藪を貫き、森の木々を貫き飛んできた。

 

そして、赤目の男の背中から心臓に矢は

 

一直線に突き刺さった。

 

 赤目の男は「ウッ!」っと小さく呻くと

 

その場に鈍い音とともに倒れ込んだ。

 

 

ヒューが、呻きながら、ふらふらと立ちあがると、

 

アイが、心配そうに駆け寄ってきた。

 

 

ヒューとアイは、仕留めた獲物の事も忘れて

 

しばらくその場に立ち尽くしていた。

 

 

すると、藪の中から物音がして。ヒューと

 

アイは、音のした方向に素早く振り返ると

 

身構えた。

  

 

  ヒューが剣を構えて身構えていると、藪の

 

中から声が聞こえた。いや、ヒューには声が

 

聞こえたように思えたのだが、実際には、

 

それはテレパシーのようなものであった。

 

ヒューの脳内で、その声は、こお言って

 

いた。

 

 

 「心配するな。」それと同時に、藪の中から

 

弓のような物を携えたポポーが現れた。

 

しかしそれは、ヒューたちの想像を遥かに

 

超えた生物であったため。ヒューたちは、

 

ポポーの姿を見て恐れを抱かずには

 

いられず用心のないように身構えていたが。

 

 

再び「心配するな!私は味方だ。」また、

 

ヒューたちの頭の中にポポーの声が響いた。

 


 確かに、ポポーの澄んだ瞳と物腰は、

 

ヒューたちにある種の安心感を与た。

 

 

 

二人に近づいていったポポーは、ヒューの

 

傷ついた肩と耳を指先で軽くなでた。

 

すると、驚いたことに流れていた血は消え、

 

開いていた傷口は閉じ、ヒューの

 

傷はあっという間に治っていた。

 

 

驚き、あっけに取られているヒューに、

 

ポポーは、片目をつぶって見せた。

 

その時、ポポーたちの後ろに横たわる

 

赤目の背中に刺さった青い矢も

 

スーッと消えていった。それと同時に、

 

赤目の手がかすかに動いたように見えた。

 

いや、確かに赤目の体は動いていた、

 

赤目の男は、死んではいなかったのだ。

 

 

のっそりと立ちあがった赤目の男は、

 

何か憑き物でも落ちたような顔を、

 

ポポーたちの方に向けた。

 

 

赤目の男の、顔や体を覆っていた赤黒い

 

瘡蓋は綺麗に消え去り、その体からも、

 

まるで別人のように殺気が消え去って。

 

まるで別人のような、穏やかな

 

顔つきになっていた。